RESURRECTION/ホロウ・シカエルボク
 
だからいつも口を開けなくていい場所を探している、そういう場所には決まって心をくすぐるような詩が落ちている、俺は昔のビデオゲームみたいにそれを拾い続けて命を繋いでいる、世界は、もの言わぬ場所で満ちるべきだ。

ドクターヘリが総合病院の屋上でローターを休めている、おそらくは病人が運び込まれている…さっきまで周辺にはそいつの羽音がこだましていたからだ、ヘリに乗せられた病人ーあるいは怪我人ーはいったい何を考えるのだろう?救急車に乗るのとはまるで違うはずだ、それはきっと天国、あるいは地獄に近いどこかを連想させるに違いない、俺は自分がそこに居ることを想像してみる、俺はおそらくそこに居る連中の会話にずっと耳
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