詩の日めくり 二〇一五年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 

 ひぃえ〜、ヤクザに頭割られて、それが治ったら、薔薇の束を抱えさせられて殺される夢を見た。なんちゅう夢。家族全員が殺される夢だった。なんで、こんな夢を見たのだろう?

 作品論を読んでいて、作品論なのに、存在する作品について具体的に論じないで、存在していない作品について論じているものがある。現実の風景について述べないで、風景というものは、と述べているものを読ませられているかのような気がするものがある。それがおもしろくない作品論ではないこともある。

 リンゴが赤いのは、赤いと言われているからだ。赤いともっと言ってやると、リンゴはいっそう赤くなるだろう。この表現に神経をとがらせるひとには、
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