詩の日めくり 二〇一五年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
は、こう言ってやればよい。リンゴにもっと赤いと言ってやると、リンゴはよりいっそう赤く見えると。リンゴが赤いのは、赤いと言われているからである。

 別の現実が、ぼくのなかで目を覚ます。眠りとは、夢とは、このことだったのか。


二〇一五年十二月二十四日 「プリティ・モンスターズ」


 ペソアの『不安の書』のルーズリーフ作業が終わった。きょうは、詩集を読むか、小説を読むか、どっちにしようか。ボルヘスとカミングズの思潮社の海外詩文庫を買って、まだ読んでなかった。ボルヘスの全短篇集のつづきか、どれかにしよう。

 あんまり寒いので、お風呂につかりながら読書することに。お風呂場では、
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