刷り込み〜緑色に輝く透明な空の彼方に・・・/草野大悟2
 
とでした。彼女の瞳に疲弊した青空がありました。
              ☆
大学院をでました。卒業式には、彼女が親代わりに出席してくれました。結婚して上京、環境アセスメント会社の研究員を三年、諫早湾など全国のフィールドで仕事をしました。長女が産まれて半年後、帰熊。職を何度も変えて勝手放題でした。次女が産まれました。警察官になりました。安心していました。甘えていました。何もかも彼女に寄りかかり、そして、三十八歳になったとき、彼女は精神を病んでガス管を咥え、入院してしまいました。風がゆれ、火星がでていました。以前のようにひとりになった俺でした。
三十九歳になるころから、彼女は、向日葵の笑顔を
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