詩の日めくり 二〇一五年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
いのが忘れられるような気がする。

 高橋都彦さんが訳されたペソアの『不安の書』を読んでいると、記述の矛盾が気になって、だんだん読むのが苦痛になってきた。全訳だからかもしれない。澤田直さんが訳された、平凡社から出てる『新編 不穏の書、断章』は、よいものだけピックアップしてあったので、たいへんおもしろかったのだが。でも、高い本だったので、もったいないので、さいごまで読むつもりだけど。貧乏なので、つい、そういう気持ちになってしまう。まあ、高い本なのに、買ってからまったく読んでないものもあれば、ナボコフの全短篇集のように、読むのを中断しているものもあるけれど。とりあえず、歯を磨いて、ペソアの『不安の
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