詩の日めくり 二〇一五年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
の『人魚姫』を読もう。ペソアの『ポルトガルの海』かなりお気に入りの詩集になりそうだ。いまのところ、はずれの詩がひとつもない。よく考えてつくってある。ペソアは自分自身のことを感じるひとだと思っていたかもしれないが、考えるひとだったと思う。徹底的に。

 お風呂から上がった。ペソアの『ポルトガルの海』のつづきを読もう。財布にはもう58円しか残っておらず、ドーナツひとつも買えない。あした銀行に行こう。

 詩が、ぼくの目が見るもののことについて語ってくれるので、よりはっきりと、ぼくの目は、ぼくが見るもののことを見ることができるのだ。詩が、ぼくの耳が聞くもののことについて語ってくれるので、よりはっ
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