詩の日めくり 二〇一五年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
人が通勤でたいへんだなと思ったものだが、別れたいまでも、たいへんだなと思ってしまう。別れたら、そんな感情はなくなるのがふつうのことみたいに聞くけれど、どうなんだろうか。ぼくのような気持ちの在り方のほうが、ぼくにはふつうのような気がするけど。

 ようやく起きた。これからフランスパンを買いに行く。帰ったら、スウェターリッチの『明日と明日』を読もう。一文字も見逃せない作品だ。すごい。

 コーヒーとドーナッツを買ってこよう。20円引きのレシート兼割引券を持っていこう。貧乏人には、こういうのが、うれしい。

 トマス・スウェターリッチの『明日と明日』(日暮雅通訳)における誤植:280ページ1
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