詩の日めくり 二〇一五年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 



 コンピューター文芸学については、ほとんど知らないのだが、はやりはじめのころ、もう4分の1世紀以上もむかしのことだが、ドイツ文学者の河野 収さんに、いくつか論文の別刷をいただいて読んだくらいなのだが、さいしょは、聖書にどれどれの文字が何回出てくるかとかいったことに使っていたようだ。やがて、詩や小説のなかに出てくるキーワードの出現頻度を調べたりして、文体研究に使ったり、作者の同定に使ったりするようになったのだろうけれど、シロートのぼくが言うのもおこがましいだろうけれど、たとえば、「目」という言葉でも、文脈によって意味が変わる。たとえば、さいころのようなものの「目」であったり、眼球の「目」で
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