詩の日めくり 二〇一五年十月一日─三十一日/田中宏輔
、じっさいのところはわからない。おひとりの方はふつう体型で、いかつく、もうお一人の方は色の薄いサングラスをかけてらっしゃってて、かなりいかつく、少し小太りだった。ぼくはカウンターのなかの流しのところで洗い物をしていたのだけど、お二人は、ぼくのまえのカウンター席に坐られてお話をなさっていたのだけど「親分が」とか「懲役」とか「むしょに入ったことがなかったらわからへんやろうけどな。」とか、そういったお言葉を口にされてて、ぼくは、ひゃ〜、業界の方なのかしらと思いながら、グラスを洗っていたら、洗剤を落とすために、くるくるとまわしてグラスの外側を水で注ぎ、そのあと、グラスのなかに水を入れて振ったのだけど、その
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