視破線/ただのみきや
 
い未知なる外界へ流失して行く
――誰かがカップ焼ソバのお湯を捨てに立ち上がった
わたしたちは一個小隊の餓鬼となって
見開いては景色を食い荒らし 変態の羞恥を覆って
紡ぐはずだった絹糸で文明の地獄絵図を織り上げた
わたしたちはわたしたちの絵の中で苛まれ
全滅した


顔はトルソへ姿を変える 
欲望の形相 常夜の半球で喘ぐたわわな腫瘍
なおも渦潮から逃れ追いかけて来る復讐者
わたしたちは一個連隊の武装ハイカーとして
絵師の魔術的技巧により青い高地に展開した
牧場の中の教室では情報アレルギーの教師たちが
不倫の仔を孕むべく子供たちに精神的実験を試みる
すると電解された情緒
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