視破線/ただのみきや
を帯びながら
愛撫に肌をうるませる
真昼の狩りを楽しむ古の天子
永遠に時代錯誤の神々しさ
嘘つきの無謬性
正午の海岸
日差しに背を向けて己の影から拾い上げる
沈黙から言葉を 言葉から沈黙を
深層の潮流が運び寄せる――蛭子
その透けた胎にひとつの捻じれが宿る
触診する瞳の真中から破水して
咲くように心臓が電話した光の羅列
白い唾で嬉々として咀嚼と嘔吐を繰り返す
海は聾の耳たぶを刺激し続けた
わたしたちの時間は棺から足を出し
太陽はハンカチで秘密の通路をすでに消していた
異なる旋律を織り合わせることで歪みが生じ
その歪みが
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