詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
やつなんだから
ぼくは
思い出は
いつだって
たくさん
もっとたくさん
もうたくさん
チュッチュルー
ルー

二〇一五年二月三十一日 「光と熱」

そうだ
言葉と出合って
そんな感情が自分のなかにあることに
そんな気持ちの感情が自分のこころのなかに存在することに気がつくことがある

映画を見て
そう思うこともある

通勤電車に乗っていて
向かいに坐った男のひとの様子を見ていて
このひとはわたしに似ていると思った
女性ではどうだろうかと思って
目をつむって眠っている女性を見つめた
このひとも
ぼくに似ていると
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