詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
ちょっと待って
って
時間には言えないし
立ち戻ることもできない
できやしない
「格闘技やってそう。」
「やってたで。」
「なに?」
「柔道。」
エイジくんも柔道してた
ぼくは
自分が柔道してたことは言わなかった
どうして言わなかったのだろう
むかしのことだもの
こたえは
わかりきってる
おもっきりむちゃな
恋のフーリガン
いや
恋はフーリガン
きみのかけら
指のかけら
あちこちに撒き散らして
それだって
厭きのこない顔だから
what?
すぐにこわれるから
こわれもの
いつまでもこわれ
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