詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
と京都に住んでいると、付き合った子と出合うこともたまにあって、いろいろ話がしたいなあと思うのだけれど、思ったのだけれど、バスが来てしまって、「また会ったら話をしよう。」と、ぼくが言うと、笑ってうなずいてバスに乗っていった。声は19才のときから太くて(からだもガチデブだっけど)、いまだに魅力的だった。いまだにガチデブで、おいしそうだった、笑。ぼくが文学なんてものやってるからかな、めんどくさくなったのかな。ぼくも27才だったし、詩を書きはじめて間もなくだった。下鴨のマンションにいたとき、土曜日になると、かならず、ピンポンって鳴ってたのに、いつの間に鳴らなくなったんだろう。ああ、27年前の話だ。うん?
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