詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
同じ意味の問いかけではない。しかし、おそらくは断定不可能な言説について云々するほどの無能者でもないものならば、「何が詩か?」という問いかけについて思いをめぐらすことであろう。たとえば、何が詩か。ぼくの経験からすると、堀口大學の『月下の一群』に含まれているいくつかの作品は詩だ。シェイクスピアのいくつもの戯曲、ゲーテの『ファウスト』、ホイットマンの『草の葉』の多くの部分、ディキンスンのいくつかの作品、ジェイムズ・メリルのサンドーヴァーの光・三部作。これらはみな翻訳を通じて、ぼくに、詩とはこれだと教えてくれた作品たちである。書物の形で、紙に書かれた言葉を通して、詩とはこれだと教えてくれた作品たちである。
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