詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
はずなのに、知らない感じのところが随所にあって、自分の感じ取る個所が違っていることに、自分で驚いている。大谷良太くんのもっている繊細さは、ぼくには欠落していて、でも、ぼくには欠落しているものだと、ぼくに教えてくれるくらいに、表現が強固なのだと思った。もちろん、表現は強固だが、詩句としては、詩語を排したわかりやすいものである。後半は散文詩が多い。大谷くんの現実の状況とだぶらせて読まざるを得ないのだけれど、そいえば、翻訳詩を読む場合も、詩人の情報をあらかじめ知って読む場合が多いことに気がついた。読み進めていくと、完全な創作なのだろうか、まるで外国文学を読んでるみたいだ。現実の大谷くんとだぶらない状況の
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