詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
にあたって
スパッ
と切れちゃって
弟は逃げちゃって
血まみれになったぼくを
見ず知らずの大学生のお兄ちゃんに
頭をタオルで押さえてもらって
祇園の家まで
連れて行ってもらったのだけれど
あ
これって
頭割れるのと
ちと違うか
違わないか
そうあるか
そうないか
わたしわからないことあるよ
ええと
これとはちゃうかなあ。
で
頭割れてるって
どこまで〜?
ってことになりますわなあ。
どこまで〜?
あ
で
頭が割れそうに痛いって
ぼくの場合
痛くなかったのね。
出血が激しくて
自分
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