詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
関心がなくて、と言うと、たいてい、びっくりされてしまう。ぼくの経験は詩の材料にしかすぎないのに。ぼくの経験以上に、ぼくが知っているものがないので、仕方なく自分の経験を詩の材料にしているだけなのである。もしも、ぼくが、自分自身の体験以上に知っていることがあれば、それを詩の材料にすると思う。自己愛が強いんですねと言われることがある。びっくりする。
二〇一五年二月十三日 「旧友」
ひさしぶりにオーデンの詩集を図書館で借りた。詩論を読んで、まっとうなひとだと再認識した。オーデンもゲイだったけれど、そのオーデンが、これまたゲイのA・E・ハウスマンについて書いているのも、おもしろかった。むかし、
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