詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
に引っかかってしまったのだろうか。
その喩は、わたしを待ち構えていたのだ。
罠を張って、そこに待ち構えていたのだ。
わたしは、その場所だけは避けるべきだったのだ。
たとえ、どんなに遠回りになったとしても
どんなに長く道に迷うことになったとしても
その安易な喩だけは避けなければならなかったのだ。
だからこそ
わたしは、どこにも行き着けず
どの場所もわたしを見つけることができなかったのだ。
白は王党派で
赤は革命派。
白紙答案。
赤紙。
白いワイシャツ。
赤シャツ。
スペインのアンダルシア地方に
プエブロ・ブロンコ(白い村)と呼ばれる
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