詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
火。
ギリシア哲学。
色を重ねると白になるというのは充溢を表している。
喩からあがると
喩ざめしないように
すばやく身体をふいて
まだ喩のあたたかさのあるあいだに
布団に入った。
喩のぬくもりが全身に休息をもたらした。
身体じゅうが、ぽっかぽかだった。
ラボナ、ロヒプノール、ワイパックス、ピーゼットシー、ハルシオン。
これらの精神安定剤をバリバリと噛み砕いて
水で喉の奥に流し込んだ。
ハルシオンは紫色だが、他の錠剤はすべて真っ白だ。
バファリン嬢も真っ白だった。
中学生から高校生のあいだに
何度か、ぼくは、こころが壊れて
バファリ
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