詩の日めくり 二〇一五年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
なく、レプリカだったというのだ。レプリカであっても、クローンならば遺伝情報はオリジナルと変わらないはずだし、たとえホムンクルスであっても、大方の遺伝情報を復元しているはずであった。それにしても、あの四条河原町でのイエス・キリストの処刑というパフォーマンスには意味があったのだろうか。火葬しなければならなかった理由はわかるが、処刑自体のパフォーマンスに、いったいどのような意味があったのだろうか。戦争はまだつづいている。呪術の訓練をされた若者たちが、戦場にぞくぞくと送られている。街の様子もすっかり様変わりした。戦争一色である。老詩人は、ただ戦勝祈願するほかないのだけれど。

二〇一五年二月七日 「高
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