詩の日めくり 二〇一四年九月一日─三十一日/田中宏輔
 
とだった。うかつだった。メニューには、以前に食べて、おいしいなって思った「にくすい」がなかった。その代わり、豚汁を食べた。サーモンの串揚げがおいしかった。もう一杯ずつ生ビールを注文して、煮抜きを頼んだら、出てきた卵が爆発した。戦場だった。ジミー中尉の肩に腕を置いて、身体を傾けていた。左の脇腹を銃弾が貫通していた。わたしは痛みに耐え切れずうめき声を上げた。ジミー中尉はわたしの身体を建物のなかにまでひきずっていくと、すばやく外をうかがい、扉をさっと閉めた。部屋が一気に暗くなった。爆音も小さくなった。と思う間もなく、窓ガラスがはじけ飛んで、卵型爆弾が投げ入れられ、部屋のなかで爆発した。時間爆弾だった。場
[次のページ]
戻る   Point(13)