詩の日めくり 二〇一四年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
」「ア」ですか?」と訊いてきたので、「「クソババ」と言うときには、伸ばさないこともありますが、「クソ」がつかないときには、多くの場合、音を伸ばして、「ババア」と言います。」というふうに、その台湾人の方の日本語のレパートリーを増やしてあげた。

二〇一四年七月五日 「怖ろしくも、おぞましい存在」

 人は、人といると、かならず与えるか奪うかしている。また与えつつ奪うこともしているし、奪いつつ与えることもしている。しかし、怖ろしくも、おぞましいのは、ずっと与えつづける者と、ずっと与えつづけられる者、ずっと奪いつづける者と、ずっと奪いつづけられる者の存在である。

二〇一四年七月六日 「吉野
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