詩の日めくり 二〇一四年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
も、困ったことにならないように、数少ない野菜や缶詰や冷凍食品などを買い物かごに入れてレジに並んだ。酒もほとんど残っていなかったのだが、とりあえず缶チューハイは二本、確保した。値段が違っていた。清算するまで、いつもと違った値段が付けられていたことに気がつかなかった。人間の特性の一つであると思った。こんなときにも儲けようというのだ。どの時代の人間も同じなのだろう。どの時代の人間も同じように愚かなことを繰り返す。ようやくレジで代金を支払い、買ったものを部屋に持ち帰ると、すぐにキッチンの棚や冷蔵庫のなかにしまい込んだ。

二〇一四年七月二十四日 「海胆〜」

海胆海胆〜
海胆〜

二〇一四年
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