詩の日めくり 二〇一四年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
。押し付けられるようにして受け取ったそれをチラ見すると、バックパックにしまって、阪急の改札に入った。階段を下りていくときに、ちょっとつまずきかけたのだけれど、戦争ってことについて考えていたからではなくて、ただ単に疲れていて、その疲れが足元をもつれさせたのだと思った。烏丸から西院まで、電車のなかで戦争についてずっとしゃべりつづけていた中年の二人連れの女たちがいた。こういうときには、なにも考えていなさそうな男たちが大声で戦争についてしゃべるものだと思っていたので意外だった。むしろ中年の男たちは何もしゃべらず、手渡された号外に目を落として、うんざりとした顔つきをしていた。若い男たちも同じだった。西院駅に
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