詩の日めくり 二〇一四年七月一日─三十一日/田中宏輔
十一日 「純粋ななにものか」
現実と接触しているかぎり、どのような人間も、純粋ななにものかにはならない。現実と接触しているかぎり、どのような詩も、純粋ななにものかにはならないように。
二〇一四年七月二十二日 「自分を卵と勘違いした男」
彼は冷蔵庫の卵のケースのところに
つぎつぎと自分を並べていった
二〇一四年七月二十三日 「開戦」
きょう、日本が宣戦布告したらしい。仕事帰りに、駅で配られていた号外で知ったのだった。それは、地下鉄から阪急に乗り換えるときに通る地下街にある、パン屋の志津屋のまえで受け取ったものだった。まだ20歳くらいのやせた若い青年が配っていた。押
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