詩の日めくり 二〇一四年七月一日─三十一日/田中宏輔
〇一四年七月十八日 「やわらかい頬」
ふと23才くらいのときに東京に遊びに行ったときのことが思い出された。昼間、ぼくは、バス停でバスの到着時刻表を見ていた。友だちとはぐれるまえに。記憶はそこで途切れて、池袋だったと思うけど、夜にイタリアンレストランで友だちと食事してた。なぜバス停でバスの到着時刻を見てたのかわからない。森園勝敏の『エスケープ』を聴いている。このアルバムのトップの曲が、ぼくに、ぼくの23才くらいのときのことを思い出させたのだと思う。まだ汚れていたとしても、そうたいして汚れていなかった、裸の魂を抱えた、ぷにぷにとやわらかい頬をしたぼくが、無防備に地上を歩きまわっていたころの記憶
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