詩の日めくり 二〇一四年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
しろかった。憐れみを誘う、蹴り飛ばしてほしそうな顔をしていた。

二〇一四年七月十二日 「マクドナルド」

 ジミーちゃんちに寄った帰り、北大路のマクドナルドで、「ハンバーガー一個ください」と言ったら、店員の若い男の子に、「これだけか?」と言われた。すぐさま、その男の子が、しまった、まずいな、という表情をしたので、ぼくも聞こえなかったふりをしてあげたけれど、不愉快になる気持ちよりも、こんなこともあるんだ、というか、とっさに思ったほんとうの気持ちが、こんなふうに言葉にあらわれることもあるのかと、おもしろがるぼくがいた。

二〇一四年七月十三日 「湖上の卵」

湖の上には
卵が一つ
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