詩の日めくり 二〇一四年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
一四年七月十日 「なにげないひと言」

 なにげないひと言が、耳のなかに永遠に残る、ということがある。過去のベスト1とベスト2は、「おっちゃん、しゃぶって!」と「おっちゃんも勃ってんのか?」だ。これまで、どの詩にも書いていない状況のものだ、笑。きょうのは、ベスト3かな。「チンポ、しゃぶりたいんか?」 

二〇一四年七月十一日 「怖い〜!」

 バス停の近くで派手にイッパツ大きなくしゃみをしたら、なんだか妙にへなへなとした知恵おくれっぽいおじいさんが、「怖い〜!」と言って、ムンクの絵のように両手で頭を抱えて、くたっとひざまずいて、ぼくの顔を見上げた。マンガ見てるみたいで、めっちゃおもしろ
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