I Won't Grow Up/ホロウ・シカエルボク
大した理由はない、ポケットがひとつ開くからとか、そんな程度の理由の集合だ、友達には若干不評を買ったけれど、家には電話があるわけだし、そんなに重要な事態じゃない、と言い聞かせた、向こうもそれで納得してくれた、だいたい、電話を持ち歩くことは必要か必要でないかといえば、俺にとっちゃべつにそんなに大事なことでもない、俺に連絡をとりたがる人間なんてそんなにいないし、本当にアクセスしたいやつは必ず有効な手段を使う、いきなり訪ねてくるやつだっている、そして俺は、そいつを必ず迎え入れる、そもそも、近くに住んでる友達がそんなにいないというのもあるけれど…この田舎町にゃ、俺を楽しませてくれる人間なんてそんなに居はしな
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