羊たちの烙印/ホロウ・シカエルボク
ちろん、生は死にとってすべてではありえない、だけどそれは、亡霊のようになにかを囁き続けている、繁華街が途切れるところの信号で立ち止まる、もうすでに点滅信号に変わっているけれど、車道を走る車にはそういうことはあまり関係がない、あいつらは移動のためにアクセルを踏み続けている、まるで豪華なマンションの部屋に戻りたがってでもいるかのように、だけどそうー玄関のそばにキッチン、その奥に二部屋の味気ない部屋だろうさ、スタンダードっていうのはつまりそういう意思なんだ、それは長いこと観察を続けていると自然に感じられるようになる、そいつの中にテンプレート以上のものが存在しているのか、どうか…俺は初めからそういうものを
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