延長戦/ただのみきや
の邪魔をする
切っても抜いても毎年勝手に生えて来る
全く有難みのない草花の総称だ
雑草にも各々名前がある
雑草の名前を一つ憶えると
見かける度にその名を反芻し
葉の形 立姿 花の色
種子は穂か 綿毛か トゲトゲか
硬い一本調子な奴か
しなやかなタイプか等々
自然と記憶は重ねられて往く
ことさら主張しないが
充分に個性はある
生存競争という言葉はあるが
自分の生を全うすることに全力だから
競争しているつもりはないのだろう
枯草色になって死んだはずなのに
雪に埋もれながら立ち続けていたりする
たとえば詩が
詩人にとって丹精込めて造った薔薇あるいは
感
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)