BURN/ホロウ・シカエルボク
 
形を変えている、俺は陸地をイメージした、逃げ込むための陸地、それを思い浮かべればなんとかなる気がした、慰めでもなんでもその思いつきにすがるしかなかった、しばらく虚ろなあがきが続いたあと、それは本当に眼前に現れた、俺は目を大きく見開いてそこを見据え、辿り着かんとこれまで以上に腕に力を込めた、動けば隙間は生まれるものの、様々な大きさの虫どもはすぐにそこに入り込んで埋めてしまう、果てしなく続くかのように思われた、だからこそ俺はより懸命に身体を動かした、もう少しで辿り着くというときに、右脚のふくらはぎに激しい痛みが走った、うっ、と思わず呻いたところにゲジゲジのようなものが口の隙間から入り込もうとした、俺は
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