BURN/ホロウ・シカエルボク
だと言っていい、とどまってはいけない、ほんの少しでも違う立ち位置を求めなければ、なにかがその場所で死んでしまうような気がする―そこまで考えたところで、思わず笑いが漏れる、そんな選択こそが、自分をいまこんなところに放り込んでいるのだと―そんなふうに思えてしまったからだ、けれど、人生において結果論ほど下らないものはない、それは生きながら死ぬための人生を選んだ連中の専売特許だ、虫どもにまとわりつかれながら俺は懸命に泳いだ、泳ぎながら、昔ゴムボールのプールで泳いだことを思い出していた、ままならなさ、楽しさとともに、どうしようもないままならなさを子供の俺は感じていた、その楽しさはいま、不愉快な忌々しさに形を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)