フロントガラスにちいさな蝶が止まった/ただのみきや
ないで信じる信仰ですかね 」
――意味?
「読む者が編めばいいでしょう 」
満ちも欠けもしない
月にもロマンス
いつまでも変わりはしない
渇きと拒絶
前提としての堕落
憧れと諦めと
飽きることなく遊び呆け
帰り道も帰る場所も忘れ
――着飾ったコンプレックス?
――言葉のコスプレイヤー?
「から揚げです 魂魄の
なに淡泊なものですよ 」
衣は咲く
中は空
わたしと恋人が住むための
世界は創造され
都度破壊される
どこか甘ったるい死が
極めて曖昧な詩として
一人にしか懐かない猫のよう
しかしすぐそこ
背中を向けて
酒を飲んでいたり
鳩に餌を
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