19歳の不安/七尾きよし
れないんだ」
女「どうして」
「誰かが言ったんだ胸の中からぎゅるぎゅるこみ上げてくるもわとした渦渦ん中で・・・・・・・・・」
男の声はさみしく、弱く、ただ響く。 その声は誰に向けられたものか。 その声はどこへも行かない。 行きどころのない声。 男の声はただ響く。
「さよなら。 ・・・・・・・・・・・・悲しい? 分からない。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ううん嫌だ。暗いところへ行くのは・・・・・・・・・・・・」
男の声は誰かに請う。 女に対して、家族に対して、友に? 分からない。
「今日だけは一人にしないで・・・・・・明日になるまで俺
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