骨になったら壺のなか/ホロウ・シカエルボク
ドブネズミの骨のように積み上げられる人生がいくつも転がっている、風が吹けば転がり、ひとつふたつ居なくなったりして…それにしてもカラカラとよく渇くものだね、なぜそんなに…自動販売機の灯りに吸い寄せられて、欲しくもないのに缶コーヒーを買ってしまう、ろくでもない習性、だけどどうもこれは治りそうもないね…住宅地の終わりには雑草にまみれた展望台がある、街の南端が一望出来る…昼間ならばの話だけど、夜は夜で、ちらほらと浮かぶ灯りが不自由な蛍みたいでまんざら捨てたもんでもない、この季節、蚊にたかられるのが弱りものだけど―少し戻ってコンビニで虫よけの薬を買う、近頃のこういった薬は馬鹿に出来ない、使うのが怖いくらいに
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