骨になったら壺のなか/ホロウ・シカエルボク
考は必要のないものになってしまった、カレンダーをいかに多く塗り潰せるか、という目的でしかもう人間は機能していない、いや―俺には彼らを馬鹿にするつもりなんかないよ、だってそうだろう、それは利口だの馬鹿だのという概念からはまるで関係のない出来事なんだから…トラックに並んだ走者の分しかタイムは計られないものだよ…そんなわけで俺は人影の見える通りをなるべく避けて、路地裏や住宅街をたくさん歩いた、ビニール傘とガチでファイトしている50半ばくらいの男が居た、飲んでいるのかと思ったが足元は確かだった、やつがおかしいのはアルコールのせいではないようだ…精神病院にいる弟のことを思い出した、そして、すぐに忘れた―ドブ
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