骨になったら壺のなか/ホロウ・シカエルボク
ドブネズミの頭骨だけが綺麗に積み上げられた路地裏の酒場の看板の下にコカインの包み紙、側溝にかぶせられた石の蓋は片っ端から破壊されていて、外灯はけたたましく点滅している…メタリカのショーみたいに…焼夷弾のように少しの間降り注いだスコールが上がる気温に連れて行かれてもやになっている、インチキまがいの霊能者ならそいつをいかがわしい景色のように語るだろう、空気は空ぶかししたあとの排気みたいなにおいがした、ここまで車は入ってこれないはずだけど―路上でいかにもな詩人がいかにもな詩を朗読している、スタンダードから決死の思いでダイブしてそこに立っているはずなのになぜどうして同じ価値観ですべてを話そうとするのだ
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