鬼灯の袋が紅く色づく頃/こたきひろし
換えて末っ子の私は
体も貧弱な上に心までひ弱に育ってしまった
姉は地元の高校へと進学した
両親はけしてそれをこころよく思わなかったらしい
経済的に苦しいの一途からだった
姉は中学生の時から隣家の製麺所でアルバイトした
饂飩をはかりにのせて決められた重さだけを紙ヒモでひたすら束ねる仕事だった
高校に入ったらアルバイト時間を増やして頑張るからと両親を説得した
勿論家の事もしっかりこなす事も約束した
姉は目立って勉強のできる生徒だったらしい
そればかりかその人間が校長から評価された
卒業したら学校に残って働きなさいと言われて
地方公務員の試験に挑戦して合格した
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