恋昇り7「やさしい夢」/トビラ
 
ほうほうと笑って言う。
「そうかそうか、それはよかった。今日はな、お前さん方に謝らねばならんと思ってな」
「謝る……? ですか?」
「ああ。今、お前さん方をこの状況に追い込んでしまったのは、こっちの落ち度でなあ。ほんにすまんかった」
主様は頭を下げる。
「そ、そんな、頭を上げてください」
そう言うと、はなまきさんが手の中に包みを持って戻ってくる。
「はなまき、それを娘さんに」
「はい」
はなまきさんは私のそばに来て、包みを手に乗せてくれる。
「開いてごらん」
はなまきさんにうながされて、包みをほどく。
中には、どこまでも透きとおった青い玉がある。
何かの宝石かな?
「主
[次のページ]
戻る   Point(0)