屋上の告白/トビラ
 
田畑さんの話も信じる」
僕は精一杯の笑顔で言う。
ふふ、と田畑さんも笑う。
「やっぱり、私の勘は正しかったな」
田畑さんは、うんうんと頷く。
「私の一族は、大洪水の生き残りなんだ」
「大洪水?」
「ノアの方舟って知ってる?」
「うん、それはまあ。ああ、ノアの方舟に乗ってた人がご先祖様っていうこと?」
「ううん、逆」
「逆?」
「方舟に乗れなかった人の末裔なんだ」
「うーん。あ、方舟に乗れなかったから、他の惑星に行った?」
田畑さんの目が、きらきらと輝いていく。
「そう。そうなんだ、よくわかったね」
「僕はもっと上の次元から来ているから」
「じゃあ、なんでもお見通しだ
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