屋上の告白/トビラ
しだね」
田畑さんはとても楽しそうに笑う。
「そう、だから、なんでも話して」
「ありがと。そうだね。私たちの祖先は、大洪水が起きたとき、方舟に乗れなかった。ノアがせっせと、方舟を作ってるとき、バカだなんだと、さんざん罵って、大洪水が起きてから泣きついた。でも、その時はもう遅かった。ホント、どっちがバカだって話しだよね」
「それで、宇宙船を作った?」
「そう。もう地球にいられないからって、その時のテクノロジーを結集して、とりあえず乗せられるだけの人を乗せて、地球を飛び出た。そういうのって、どう思う?」
「うーん、バイタリティがあるなって」
田畑さんはくすくす笑う。
「まあ、バイタリテ
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