201912第二週詩編/ただのみきや
 
は切り落とされて全ての音の向こうから来るものに欹てる
なにひとつ確かなものはない
本当に確かなものの前では



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悲しみは喜びに恋をしたが
喜びの眼に悲しみは映らなかった
そんな悲しみをわたしは愛し
今もいつまでも抱きしめている



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あなたは山麓の湧き水
光を乗せた澄んだせせらぎ

わたしは暗渠が吐き出す
真っ黒い水の反響

謂れのないものが突如現れたかのよう
隠された脈絡という共通点



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駐車していた車にスマホを見つめながら
微笑む女装少年がぶつかって来た
彼(彼女?)
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