201912第一週詩編/ただのみきや
 
それが厚く重く圧し掛かる時も来ていたが

常緑樹は切られクリスマスツリーになった
煌びやかに飾られた いつも緑の木
生きていると見なされる 生贄の死

さてどう折り合うか




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両の指で数えられないもの
千も万も億も兆も
ひとつの名と顔を持っている

顔は意味という輪郭だけを持った三面鏡

両の手で抱えきれないものを
目で食み 耳で味わい 舌で弄ぶ

ことばは文字になって一度死ぬ
読まれる時によみがえる別のものになって

流れ去るものを引き留めようと
文字という不動の身体を与え

立ち止まって 手に取って
過去へ未来へ揺らし
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