201912第一週詩編/ただのみきや
やかな沈黙に漂う希薄な生のつぶら
顕微鏡の眼差しに
星々は定まらない姿態の脱皮を繰り返す
虚無の質量に堪え切れず
名を叫ぶ口を縫い閉じろ
さもなければ腐れ落ちろ
いつまでも薄い被膜のまま
散り積もる色やかたち
自分に悟られないよう並べて
呪詛のように唱えれば
相殺された時間から浮かび上がる女は魚のよう
見失う 一瞬の 悲痛な快
自傷的感傷
自慰的刑罰
***
常緑樹は無数の指先で風を抑えている
とめどなく渦を巻く見えない力と
立ち位置を変えずに折り合いをつける
いまは羽毛の軽さで
触れるや否や透き通る雫
それ
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