幻想交響曲(ベルリオーズより)/日比津 開
彼女の姿を追うばかり
ワルツに恋人の旋律が入り
舞踏会は更に
華やかさをましていく
第3楽章 野の風景
若者は街を離れ
野の風景が広がる
草原にひとり寝転ぶ
恋人の旋律、影は
ここにはなく
しばしの平安を得る
どこからか1本の角笛が
草原に響き、やがて
もう1本の角笛を加えると
静かな対話のように
若者の耳に届く
しかし遠雷が角笛に加わると
若者の平安は次第に
打ち消され、恋人の旋律が
ここにも現れる
『彼女に嫌われたら…』
不安が胸に広がっていく
若者は草原を離れる
第4楽章 断頭台への行進
若者の思いは通ぜず
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