実存在と無存在と(存在の本章として)/HAL
 
なら何の問題もない
しかし無存在もまたひとつの存在として存在しているのだ
そのままにしておくと無存在で埋め尽くされた仮想現実だけが存在し
実存在という存在本来の有り様がすべて無存在という存在になって
まったく別種のまたそれまでと余りにも似た不気味な世界が生まれてしまう

それはいまぼくらのきみらのさらにまた違うだれかの存在の意味が
すべて失われてしまうことを意味するが
それはそれまでの存在と酷似しているが中核はまったく異質なものだ
ぼくらもきみらもさらにまた違うだれかもそれを肯定できるだろうか

それを受け入れるならそのままにしておけばいい
しかし無存在となっての存在を
[次のページ]
戻る   Point(2)