実存在と無存在と(存在の本章として)/HAL
 
在を拒絶し実存在となって存在したいなら
すぐにでも現実と仮想現実の見分けがつくうちに
まずぼくらが仮想現実と対峙しそれらが存在し難い世界を構築することだ

それは実際の戦争よりも多くの心の犠牲を伴うだろうが
実存在としてぼくらのきみらのさらにまた違うだれかの無存在までを
実存在させられることであり仮想現実がもたらす無存在に対して
言葉の素数でもある存在から無存在と実存在を見分ける数式を導き出し
すべてが実存在となり得る方程式を見つけ出すことが命題となる
そしてその解は詩にとっても必要不可欠な核といっていい本質でもあるのだ

もちろん無存在と実存在の違いを知りたいのは分かる
でもいまは無存在は衝動性を抑制できない静体であり
実存在は衝動性を制御できる動体であるとしかいえない

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