ロストボーイ/末下りょう
に人生を大切にしたくて
なにもない手をはやく汚したくて朝靄のなかの海賊船に火をつけた
燃えれば燃えるほど現れはじめるものがあった
メインランドのしきたりを信じてトロッコ遊びやバク宙を裏切ったやつらは苦労して暗記したものをはじめて語ったとき力を弱めた
今日勝つために弟たちを恐喝したやつらは山高帽の大人といなくなった
走り回るロストボーイ走り叫ぶロストボーイ走り笑うロストボーイ
スカルロックの猛者たちは夢のなかの夢で醒める夢をみる
眠っているときにだけネバーランドを失なうぼくらは眠りのなかで眠りが見捨てられながら戦うすべをなくしていった
ゴージャスな人魚たちは水性の黄金比を油性の風
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